大震災津波で被災した岩手、宮城、福島の3県生協連の会長理事は1月27日、共同意見声明「原発回帰への方針転換に反対し、原発に頼らないエネルギー政策を求めます」を発表し、岸田首相などへ送りました。
声明は、政府が「可能な限り原発依存度を低減する」とした立場を百八十度転換し、再稼働の加速や60年を超える長期運転、新規建設と「原発を最大限活用する」方針を決定したと指摘。いまだに続く福島原発事故の苦難や教訓を忘れたかのような方針転換には反対だと述べています。
原発回帰の理由に挙げる電気料金高騰や温暖化の対策で、原発は即効的効果を上げられないと批判。国際環境NGOの「温暖化や事故のリスク、使用済み核燃料処理問題などが解決しておらず、持続可能ではない」との主張を紹介しています。
アルプス処理水(汚染水)の海洋放出計画を含め、国民的な合意がないまま実施するのは民主主義の観点から問題だと抗議。再生可能エネルギーの導入を強力に進め、原発から確実に脱却することが将来世代への責任だと強調しています。
共同声明を出したのは、岩手県生協連の飯塚明彦会長理事、宮城県生協連の冬木勝仁会長理事、福島県生協連の吉川毅一会長です。
(「しんぶん赤旗」2023年1月28日より転載)