岡山市とともに倉敷市でも、駅前で「さようなら原発! 倉敷金曜アクション」が続いています。リレートークや歌で「原発なくせ」の思いなどを訴えてきました。12月16日に取材した543週目のアクションでは―。
「中高校生らと対話するのに役立つ」と、ケーキを配っていたのは、毎回参加している和泉かよ子さんです。2012年7月16日に代々木公園で開かれた「さようなら原発10万人集会」に倉敷医療生協の代表54人の一人として参加し、「倉敷でもなにかやらないといけない」とみんなで話し合ったと振り返ります。
同年7月27日に初めて倉敷みらい公園で150人の市民が参加する集会を開きました。これをきっかけに、倉敷駅前での金曜行動が始まりました。
同じく最初から参加する浅間智子さんは、“福島を忘れない”との思いで立っています。「原発の被害をうけた地域に何回も行きました。浪江町は海が近くて田んぼもあり豊かな地でした。なのに、自分たちが原因でなく、放射能で汚染されて故郷に帰れないというのはつらいことだと思います。原発はだめでしょう」と話します。
角南(すなみ)朋一さんは、職場があった岡山市で福島などから避難してきた人と交流・ボランティア活動をしてきました。倉敷でも金曜行動をするという話を聞いて、得意な音楽活動を「少しでも役立てば」とギター片手に初めから参加して歌で盛り上げてきました。「原発事故の被災者のことを思うと、やめられません」といいます。
“文化で、たたかう。継続は力なり”を信念に、音楽で原発ノーや平和と憲法9条の大切さを伝えようと参加しているのが、「倉敷ピースナイン」代表の太漏(たろう)澄夫さんです。キーボード担当の菊池純子さんらとともに、リレートークの合間に時々の情勢に合わせて楽曲を選曲してきました。この日選んだのは、香港で歌えば即逮捕されるという「未来に栄光あれ」「戦争入門~ブレヒトによせて」などです。
「久しぶりに参加した」という倉敷医療生協に勤める松田萌さん(26)は、「原発をなくしたいという気持ちは基本にあるけど、ここは音楽があって楽しい。毎週集まる熱気がすごい」と話します。
リレートークで元高校教員の正保(しょうほ)宏文さんは、アメリカの戦争に全面参戦する岸田政権の大軍拡を批判しました。金曜アクションに参加するのは、「教壇で、戦争反対と原発反対と語ってきました。60歳で退職したとき教壇で語ったことを自分なりに実践したかったからです」と話しました。(阿部活士)
(「しんぶん赤旗」2022年12月28日より転載)