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原発ゼロへ各地から 岡山市・・「原発ゼロ」金曜イレブンアクション 中国電力支社包囲デモ500回 原発の再稼働反対

中国電力岡山支社を一周しながら「再稼働反対」を唱和する参加者=16日、岡山市内

環境汚染は命も暮らしも脅かす

 12月16日の昼休み、「止めよう原発再稼働 環境汚染は命も暮らしも脅かす」と書かれた横断幕を持った市民や組合員ら40人が、替え歌を歌いながら中国電力岡山支社の周りをデモ行進しました。岡山市で活動する「原発ゼロを求める金曜イレブンアクション」の500回目の行動です。同アクションの事務局を担うのは全労連加盟の岡山県労会議です。(阿部活士)

 岡山県労会議事務局長だった伊原潔さんは、シュプレヒコールはふさわしくないと思い、童謡の「ももたろう」や「でんでんむし」を元歌にして原発反対の替え歌をつくりました。

 「世界的な気候危機と脱炭素社会が話題になり、脱原発が労働組合の重要な課題になりました。事務局として金曜行動を継続してきた意義は大きいと思います。岸田政権の原発回帰政策で、古い原発の再稼働も狙われ、金曜アクションはますます大切になります」と県労会議の弓田盛樹事務局長は力説します。

避難者2千人

 東京電力福島第1原発事故があった2011年3月11日直後、福島をはじめ首都圏から、たくさんの子育て世代が子どもを連れて関西以西に避難しました。岡山県内に避難してきた人は、政府が把握していない“自主避難者”も含めて2000人いたといわれました。

 その時、岡山県労会議は、被災者の支援活動や避難者を講師にした原発事故体験を聞く会などに取り組んできました。

 同時に、「電力会社に抗議したい」との声を受け、同年7月27日の昼休みに初めて中電支社前で抗議集会を開きました。金曜アクションの始まりです。当初は福島から避難した20代の女性が乳母車を押して参加しました。

低線量被ばく

 伊原さんが金曜アクションを続けるのは、民医連の病院で定年まで働いた「放射線技師としての個人的な反省」もあるといいます。

 「原発事故前までは原発は安全だと思っていたし、レントゲンを撮る際“低線量被ばくも大丈夫だ”と患者に説明してきました。しかし、低線量でも長期に浴びたらどうなるかの植物実験研究で奇形になるとの論文を知りました。原発についても学習し、被ばくをもたらす原発はなくすしかないと思いました」

 「電力会社にたいするアピール活動として、中電包囲デモをしている」と話すのは、同アクション事務局長の氏平長親(うじひら・ながちか)さんです。「事故被害のすさまじさを知れば知るほど、2回目の事故を絶対に起こさせてはいけんという思いで参加しています。原発村との根比べです。あっちも再稼働をあきらめなければ、こっちもあきらめんということです」

 岡山県労会議元議長で、岡山県自治体問題研究所事務局長の花田雅行さんも、次のように語ります。

 「エネルギー状況や地球環境を考えると、原発に後戻りするのではなく、再生可能エネルギーへの転換が不可欠です。軍事費に税金をつぎ込むのではなく、再生エネの普及・促進にこそ国はお金を出すべきです。原発なくせの運動と大軍拡・大増税反対の運動を合流させることが2023年の課題です」

(「しんぶん赤旗」2022年12月22日より転載)