原子力規制委員会は11月30日の定例会合で、現在最長60年とされている原発の運転期間を政府が延長させる方向で検討していることに対応した老朽原発の審査制度の変更について議論しました。運転期間60年を超えない原発の審査に関し、これまでの審査の確認項目に新たに加える必要はないとしました。
経産省は11月28日、同省の審議会に原子力政策の方向性をまとめた行動計画の原案を示しました。その中で原発の運転期間を「原則40年、最長60年」とした上で、運転期間から新規制基準に基づく審査などによる停止期間を除くとしており、60年以上の運転が可能になる制度です。
規制委は現在、老朽原発に対して運転開始30年以降、10年ごとに劣化状況を踏まえて管理手順が妥当かを審査しています。原則の運転期限である40年を超えて運転をする場合には、40年より前に特別点検を義務付けており、その結果を基に運転期間延長の可否を判断しています。
この日の議論では、50年目までの審査については、これまで確認してきた点検項目などに不足はないとしました。60年を超える運転についての審査に関しては今後、時間をかけて検討するとしています。特別点検については、40年を目安としながら、時期を含めて検討するとしています。
今後、すでに60年までの運転延長認可を受けた原発の扱いや、移行期間などの議論を行うとしています。
(「しんぶん赤旗」2022年12月2日より転載)