国際環境NGO「FoE Japan」は11月29日、経済産業省の審議会で発表された原子力利用の行動計画案について、原発のコストとリスク、解決不可能な核のごみの問題に目をつぶり、問題が多いとして抗議声明を発表しました。
声明は、行動計画案が「再稼働への総力結集」「既設炉の最大限活用」「次世代革新炉の開発建設」などを盛り込んだことに、「強く抗議し、撤回」を求めています。
計画案で、運転停止期間を除外して60年を超えて運転延長ができる方針については、原発が停止していても原子炉、配管やケーブルなど原発の各設備・部品は劣化し、交換できない部品も多く、電力会社の点検できる範囲も限定的だと指摘。「運転期間から停止期間を除くことは、安全を犠牲にすることにほかならない」としています。
また、原子力規制委員会が、原発の運転期間の上限について「規制ではなく利用政策である」としていることについても、福島原発事故の教訓を踏まえた規制の独立性をないがしろにし、自らの責任を放棄した行為と批判しています。
経産省が停止期間を運転期間から除外する法律を国会に提出しようとしていることは、「利用」を「規制」に優先させるものであり、国民の安全を犠牲にすると批判しています。
(「しんぶん赤旗」2022年12月1日より転載)