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原発ゼロへ各地から 前橋・・隣り合わせの危険 どこでも

原発をなくす前橋連絡会の506回目の金曜行動。マイクで訴える丹治さん=18日、前橋駅前

金曜行動506回 全県に広げたい

 高校生や会社員が行き交う両毛線前橋駅北口。18日午後5時過ぎ、「汚染水を海に流さないで」「国と東電は責任を果たせ」などと書かれたボードを持った市民が続々と集まります。「原発ゼロ・福島支援」を掲げる原発をなくす前橋連絡会の金曜行動で、506回目です。

 同連絡会代表委員の酒井宏明さん(日本共産党群馬県議)らがマイクで訴え。福島県いわき市から自分の判断で避難した丹治杉江さんは、「政府は福島の事故は終わったかのように、忘れさせようとしている」と批判しながら、終わらない原発事故を告発します。

 「放射能の被害は10年や20年で終わりません。故郷に戻れない帰還困難区域が、東京23区の半分の面積もある。新潟にある東京電力柏崎刈羽原発で、中越地震級の地震によって、もし事故が起これば群馬も被災地になる危険があります。命がけの電気はいらない。太陽光、風力、地熱…この開発にこそお金をかけるべきです」

 丹治さんは、「原発事故の真相究明と完全賠償」を求め、国と東電を相手に集団訴訟を提訴し、原告代表として10年間たたかってきました。

 同連絡会の大川正治事務局長は「原発は国策・民営ですすめたものです。訴訟支援と金曜行動を一体にして運動してきました。丹治さんはじめ原発事故の被害者がいるのに、救済されない事態が10年以上続いています。その怒りが常にあって、運動を続けてきました」と話します。

 前橋では金曜行動とは別に、原発ゼロの運動として、群馬県労働組合会議などが呼びかける月1回の昼休みデモも、10年間続けられてきました。

 同連絡会が重視してきたのが、年に数度実施している被災地視察と現地交流です。

 群馬県平和委員会事務局長の関口敏明さんは、南相馬や浪江町にたびたび行きました。「人家はもぬけの殻で、野生動物が荒らしていました。声がでなかった」と振り返りながら、「目に見えない放射能の怖さがある原発事故は、他のあらゆる事故と次元が違います。『人類と共存できない』のは本当だ」といいます。

 案内役の丹治さんは、台風がきたり豪雨になったら、「原発は大丈夫か」と心配するのが福島の人たちだといいます。「命の危険と隣り合わせに暮らしている。各地に原発があるかぎり『今日の福島は明日のみなさんの所だ』といいたい」

 大川事務局長らは来年3月に「原発をなくす群馬の会」の結成を目指しています。「ロシアのウクライナ戦争によるエネルギー危機を悪用して原発回帰に政策転換した岸田政権を倒したい。そのためにも“原発なくせ”の運動を全県的に広げたい」と抱負を語ります。(阿部活士)

(「しんぶん赤旗」2022年11月30日より転載)