“最高裁判断 覆して”
東京電力福島第1原発事故当時、福島県いわき市に住んでいた住民(1500人余)が原告となり、国と東電を相手に損害賠償を求めた「いわき市民訴訟」控訴審の第4回口頭弁論が29日、仙台高裁(小林久起裁判長)であり、結審しました。原告側は、弁護士と住民10人が意見陳述しました。
原告側弁護士は「事故の責任は国にない」とした6月17日の最高裁判決は不当なものであり、「防潮堤等」が完成するまでの間、先行して重要建屋などの「水密化」の措置が取られたはずだという点に判断がなされていなかったと追及しました。
また、「安全神話」のもとで原発の危険性や過酷事故のリスクなどを軽視、原子力安全規制を空洞化させてきた結果が重大事故に至ったと指摘。事故は「人災」であり、責任は原発政策を進めてきた国にあることは明らかだと主張しました。
原告団長の伊東達也氏は、最高裁判決は「今後とも大きな津波などが来たら仕方がない」と言っているのに等しく、「そんなことは福島県民にとって絶対に容認できるわけがない。最高裁判断をぜひ仙台高裁で覆してください」と声を大にして訴えました。
判決は来年3月10日です。
(「しんぶん赤旗」2022年11月30日より転載)