原則40年とされている原発の運転期間の規定を岸田文雄政権が削除しようとしている問題で、この方針の撤回を求めて市民団体が7日、参院議員会館で集会を行いました。オンラインを含めて100人以上が参加しました。
主催は国際NGO「FoE Japan」、原子力規制を監視する市民の会、原子力資料情報室。日本共産党からは岩渕友参院議員が参加しました。
経済産業省は原発の運転期間の延長を打ち出しました。それを受けて原子力規制委員会は、原発の運転期間について「(規制委が)意見を述べるべき事柄でない」として、原発の運転期間40年、最大60年と定めた原子炉等規制法の規定を削除することを容認しました。
集会では、原子力規制を監視する市民の会の阪上武さんが、原発の運転期間の定めは安全規制の一環であり、運転期間を定めている原子炉等規制法が規制委の所掌であることは、経産省も認めていると指摘しました。
老朽原発40年廃炉訴訟市民の会の柴山恭子さんは、訴訟の中で明らかになった規制委の老朽原発に対する延長の審査の実態を報告。原子炉が中性子を浴びてもろくなる現象を評価するための試験データを原子力規制庁が確認していないなどの問題を説明しました。
さらに政府審議会での議論の経緯や、原発で使用するケーブルの劣化についての評価が十分でないことや各地の取り組みなどが報告されました。
また、原発運転期間「原則40年ルール」の削除方針の撤回を求める署名3663人分(第1次締め切り分)を提出し、政府交渉を行いました。交渉では、運転期間の定めは安全規制に関わる問題だとする指摘に対して、規制庁は「規制委として意見を述べる事柄ではないというのが規制委の考え」と繰り返しました。
(「しんぶん赤旗」2022年11月8日より転載)