日本共産党嶺南地区委員会 > しんぶん赤旗 > 老朽原発の事故想定・・福井・美浜 避難訓練 課題指摘も

老朽原発の事故想定・・福井・美浜 避難訓練 課題指摘も

安定ヨウ素剤の配布訓練をする係と住民=6日、福井県小浜市

 関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の重大事故を想定した国・県合同の原子力総合防災訓練で11月6日、原発から5~30キロ圏(UPZ)の住民が圏外に広域避難する訓練が行われました。4日から3日間の日程で実施された訓練の一環で、1日目の災害対策本部運営訓練、2日目の5キロ圏(PAZ)住民の避難訓練に続き、約5000人が屋内退避するとともに、約700人の住民がバスや自家用車などで県内外の避難先に移動しました。

 美浜3号機は国内で初めて、運転開始から40年を超えて運転されています。30キロ圏には福井、滋賀、岐阜3県の約28万人が住んでいます。

 訓練は、嶺南地方を震源とした地震で原子炉が冷却不能に陥る事態を想定。PAZ住民はいち早く避難を開始し、UPZ住民は、屋内退避するほか、空間放射線量の実測値に基づき指示された地域の住民が避難に移ります。

 避難経路には、放射能汚染の検査・除染場所が設けられ、順番待ちするバスなどが見られました。

 甲状腺被ばくを抑える安定ヨウ素剤の緊急配布場所では、係が避難者に(1)配布の希望(2)ヨウ素アレルギーの有無(3)年齢―について確認する一方、安定ヨウ素剤と相互作用する薬を服用していないかの確認は行われませんでした。

 戸嶋秀樹美浜町長は講評で「住民が(訓練中)現在どういう状況にあるか理解できる取り組みが必要だ」と課題を挙げました。

 若狭町の男性は「行政機関がそれぞれの手はずを確認する訓練で、住民本位になっていない」と話しました。

(「しんぶん赤旗」2022年11月7日より転載)