国際環境NGO FoE Japanは10月6日、原子力規制委員会が原発の運転期間を原則40年、最長60年とする原子炉等規制法の規定を削除することを容認する方針を示したことに抗議し、撤回を求める声明を発表しました。
声明は、東京電力福島第1原発事故の発生時に1号機は運転開始40年の特別な検査に合格したばかりだったことを指摘。事故の教訓から、原則40年の原発の寿命が定められたとしています。
また、老朽原発を動かすことは、運転による劣化に加え、運転休止中も配管やケーブルなど設備・部品が劣化すること、設計が古く構造的な欠陥をかかえているなどの危険性を指摘。規制委の審査についても、電力会社の申請に基づくもので万全とは程遠いとしています。
さらに原発の老朽化に関する審査には技術的物理的な制約があり、運転期間に上限を設けることは規制の一部として極めて妥当な手段としています。
その上で、規制委の今回の決定は「福島原発事故から得た教訓を蔑(ないがし)ろにし、規制委自らの、国民を守るべき責務を放棄したものだ」と批判し、撤回を求めています。
(「しんぶん赤旗」2022年10月08日より転載)