大阪府は10月30日、南海トラフ巨大地震の発生時に避難行動が遅れた最悪の場合、府内の死者が津波などで13万3891人に達するとの被害想定を災害対策検討部会に報告しました。国の想定は最大9800人で、13倍以上に増えました。ただし、避難が迅速だった場合、死者は8806人になるとしました。
府は8月、地震による防潮堤沈下などのデータを加え独自に検討した結果、津波による浸水面積が国の公表分の3・6倍になり、JR大阪駅周辺では深さ2メートルに達すると発表。今回、これを基に人的被害を試算しました。
地震は冬の午後6時に発生したと想定。その場合、死者が最大になるのは10分後に2割、20分後に5割の人が避難し、残る3割は避難しないというケースで、津波による犠牲者は13万2967人に上り、このうち大阪市が9割を占めました。
一方、地震発生時期が同じで全員が10分後に避難した場合、津波の犠牲者は7882人(全て大阪市内)に減りました。津波以外の要因では、建物の倒壊で735人、火災で176人が死亡するなどと見込みました。