日本共産党嶺南地区委員会 > しんぶん赤旗 > 「原発9基稼働」許されぬ 失政のツケと危険性押し付け・・原発をなくす全国連絡会(全日本民医連事務局次長) 木下興さんに聞く

「原発9基稼働」許されぬ 失政のツケと危険性押し付け・・原発をなくす全国連絡会(全日本民医連事務局次長) 木下興さんに聞く

 岸田文雄首相が14日、「最大原発9基の稼働」を表明したことについて、全労連や全日本民医連などでつくる原発をなくす全国連絡会の木下興さん(全日本民医連事務局次長)に聞きました。(内田達朗)

 電力不足を口実に、東京電力福島第1原発事故による住民の苦しみ、原発ゼロ・再稼働反対の圧倒的多数の国民の声を無視して、全面的に原発稼働に突き進む許されない発言です。

 福島原発事故では、多くの人がふるさとを追われ、生業(なりわい)を奪われました。避難途中で亡くなった方も大勢います。事故から11年以上たった今も8万人以上の方がふるさとに戻ることができていません。

首相の無反省

 いったん事故が起きればどれだけ重大な状況になるのかは、国や東電の責任を追及した裁判で原告のみなさんが明らかにし、裁判所も認定している事実です。岸田首相の発言は事故を起こしたことへの責任も反省もないものです。

 岸田首相は、電力需給のひっ迫をあげています。これも筋が違います。

 今回のひっ迫は、再稼働反対の世論が広がるなかで再稼働はほとんどできない状態が続くなか、原発に代わる電力の確保や節電の推進など、需給安定に果たすべき責任を果たしてこなかった国の失政です。全面的な再稼働の推進は、国の失政のツケと事故のリスクを国民に押し付けるものにほかなりません。

再エネ推進を

 国が今すぐに取り組むべきなのは、再生可能エネルギーの抜本的な普及に本腰を入れることです。再生エネの普及を阻む要因の一つに、送電線への接続を電力会社が拒んでいることがあります。送電線の容量はあるのに、原発の電気を流す前提に立って再生エネの接続を抑制しているからです。

 再生エネや節電の技術が進歩しており、原発に頼らず電力・エネルギーを確保することは可能です。原発に固執することで日本は世界の潮流から取り残されています。原発再稼働をきっぱりやめ、再生エネの抜本的普及、省エネ推進にこそ力を尽くすべきです。

(「しんぶん赤旗」2022年7月16日より転載)