判決後、都内で開かれた会見で4訴訟の原告は「無責任」「非常に許せない」と判決を批判しました。
「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟の中島孝原告団長(66)は「これでもかというくらい無責任な判決」と批判。「原発事故の放射能に追われ、怖さにおびえ、あてもなく避難し、避難の手だてが見当たらず福島にとどまり生きる苦難を一身に背負った。ここでそれを切り替える判決を期待していたが、これでは事故を繰り返すと思う。絶対に許せないし、たたかいは終わらない」と表明しました。
「思いもしない判決で非常にがっかりした」というのは愛媛訴訟の渡部寛志原告代表(43)。「原発事故の真相を」「黙っていられない」などと8年前に裁判に立ち上がった原告の切実な思いを紹介しました。「国の政策への過信、安全神話の形成などがあって事故に至った。それなのに東電だけに責任を負わせて、社会の誤りも正せないまま終わってしまう。非常に許せない判決」と述べました。
群馬訴訟の原告・丹治杉江さん(65)は事故から11年、国と東電の責任を追及し、被災者の一人ひとりの実態に見合った救済をすすめてほしいと思って裁判所に期待していたのに「こんな判断が出るとは思わなかった。原発はもう動かさせない。国は責任をとらないのです」と批判しました。
千葉訴訟の原告・小丸哲也さん(92)は「ほんとうに残念。国も東電も原発が絶対安全・安心と40年、言い続けてきた。忖度(そんたく)した判決だ」と述べました。
(「しんぶん赤旗」2022年6月18日より転載)