東電福島第1原発事故をめぐり国と東電に賠償を求めた四つの集団訴訟で最高裁は17日、国の責任を認めない不当判決を言い渡しました。最高裁前では、支援者らが「不当判決を許すな」「怒りを終わらせてはならない」とコールを上げました。
大阪府寝屋川市からきた山口美津子さん(79)は「国が原発を主導してきたのだから国にも責任はあるはずです。原発事故を容認するような判決は許せない」と怒りをあらわにしました。
菅野鉄蔵さん(72)=福島県相馬市=は、11年前の事故以降、度重なる水害や地震などでますます人がいなくなっていることにふれ「国には現場を見てもらいたい。テーブルだけで裁判をやっているようだ」と批判。妻のかず美さん(72)も「事故で家族がバラバラになった人たちのことを思うとつらいです。政治に忖度(そんたく)をしている判決で納得できない」と目に涙を浮かべながら話しました。
馬奈木厳太郎弁護士は判決について、「対策をとっていれば事故は防げたのか、防げなかったのかについて判決では示されていない」と指摘。「この怒りをてこに国の責任を認めさせよう」と訴えました。
原告や弁護団らは記者会見後、東京都内で判決報告集会を開きました。日本共産党の岩渕友、山添拓両参院議員、高橋千鶴子衆院議員らが参加しました。
(「しんぶん赤旗」2022年6月18日より転載)