東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)でテロ対策など核物質防護上の不備が相次いだ問題で、原子力規制委員会は27日、昨年10月から実施している追加検査の中間報告を発表しました。今回の問題は柏崎刈羽原発に「固有の問題」としました。規制委は今後も検査を続け、東電が提出した改善計画の確認を行います。
柏崎刈羽原発では、他人のIDカードを用いた中央制御室への入室や侵入検知装置が故障したまま放置されるなど核物質防護の不備が相次ぎ、規制委は昨年4月、事実上の運転禁止を命令。東電は昨年9月に改善措置計画を報告し、規制委が追加検査を進めてきました。
中間報告によると、防護組織を統括すべき担当者は他の業務を兼務し、防護業務に従事する比率が5分の1程度と低く、関連する会議にも参加していませんでした。経営層による防護本部への立ち会いもほとんどなかったとしています。
侵入検知装置はコスト削減を目的としてリースから買い取りに変更されましたが、保守管理計画は策定されず、装置が壊れてから復旧するまでにも時間がかかっていました。
規制委は、業務内容などに対する東電の分析が不十分として、これらの再検証と、改善計画にマニュアルの改善の必要性を反映させるよう検査の中で求めたとしています。
(「しんぶん赤旗」2022年4月28日より転載)