来春に政府・東京電力が狙う東電福島第1原発事故の汚染水海洋放出について、「海といのちを守る福島ネットワーク」は24日、福島県いわき市で、福島大学教授・県廃炉安全監視協議会専門委員の柴崎直明氏を迎えて講演会を開きました。44人が参加しました。
同ネットワーク呼びかけ人の武藤類子氏はあいさつで、東電が漁業者や自治体などの多くの反対の声、市民団体や識者による「代替案」を無視し、海洋放出の準備を着々と進めていると批判しました。
柴崎氏は、汚染水をこれ以上増やさない抜本的な地下水流入対策が重要だとし、「凍土壁など東電の言う『切り札』は、ほとんど効果がなく、限定的だった」と指摘。山側からの地下水、原子炉建屋敷地内に湧き上がってくる地下水の流入を止める「広域遮水壁」の設置や、地下水が通りやすい地層を調査することなど自身の提案を紹介し、「諦めずに対策をとれば、海に流さなくても済む」と強調しました。
講演を聞いた人たちは「『仕方ないから』と、このまま海に流されるのは本当につらい」「東電や国は海洋放出以外の方法を真剣に検討すべきだ」と発言しました。
(「しんぶん赤旗」2022年4月25日より転載)