東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から11年。日本共産党の岩渕友議員は10日の参院予算委員会で、原発事故がふるさと・人生を丸ごと奪い続け、被害者を苦しめ続けていると指摘し、原発ゼロの決断をするよう求めました。
岩渕氏は冒頭、ロシア軍が、ウクライナのザポロジエ原発を攻撃し、占拠するチェルノブイリ原発で電源供給が途絶えていることにふれ、「東電福島第1原発事故のような爆発を起こしたら、被害は全世界に及ぶ」と批判しました。
岸田文雄首相は「原子力施設に対するロシアの一連の行動を非難するとともに、ロシアに対してこのような行為を即座に停止するよう求める」と答弁。岩渕氏は、「私は福島県の出身だ。原発事故の被害が今もどれだけ多くの人を苦しめているか。ロシアの蛮行は絶対に許されない」と満身の怒りを込めて告発し、唯一の被爆国、原発事故を経験した国として厳重に抗議するよう求めました。
その上で岩渕氏は、東電福島第1原発事故で避難した住民らが国と東電に損害賠償を求めた「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟)、群馬訴訟、千葉訴訟の集団訴訟で、最高裁が東京電力の上告を退ける決定を行い、東京電力の責任が初めて確定していることに言及。「いずれも賠償の目安を定めた国の『中間指針』を上回る損害を認めている」とし、訴訟を踏まえ「中間指針の見直しをすぐに行うべきだ」と迫りました。
岸田首相は「賠償すべき損害の範囲や項目など考えが異なる判決が複数言い渡されている。文部科学省に設置された原子力損害賠償紛争審査会で議論するものだ」と答弁。岩渕氏は「事故から11年がたつ。被害者のことを考えれば、今すぐやるのが当然だ」と迫りました。
(「しんぶん赤旗」2022年3月11日より転載)