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プルトニウム 融通へ・・電力各社 海外の所有権を交換

 国内外に保有するプルトニウムの利用計画について内閣府の原子力委員会(上坂充委員長)は2月22日、電気事業連合会(電事連)や電力各社にヒアリングを行いました。電事連は海外に保管するプルトニウムの所有権を交換して、保有量を減らす方針を説明しました。

 日本の電力会社などが国内外に保有するプルトニウムの総量は2021年度末予想で約41・5トン。

 利用目的のない余剰プルトニウムは持たないとする政府は、普通の原発でウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使う「プルサーマル」で、プルトニウムを消費しようとしています。

 電事連が昨年発表した計画で、プルサーマルの実施を30年度までに少なくとも12基としています。ただ東京電力福島第1原発事故後にプルサーマルを実施したのは関西電力高浜原発3、4号機(福井県)、四国電力伊方原発3号機(愛媛県)、九州電力玄海原発3号機(佐賀県)の4基です。

 このため今回の計画で、海外に再処理を委託して返還されていないプルトニウム(英国に約21・8トン、フランスに約15・4トン=いずれも20年末時点)のうち、MOX燃料加工工場がない英国と、加工工場のあるフランスにそれぞれ保有するプルトニウムの所有権を電力会社で交換。たとえば四国電力は英国に保有するプルトニウムと、他の電力会社がフランスに保有するプルトニウムの所有権を交換し、フランスで加工したMOX燃料を伊方原発3号機で使用するとしています。

 ヒアリングでは、日本原燃六ケ所再処理工場(青森県)が、23年度からプルトニウムを回収する暫定的な操業計画を改めて示しましたが、実現は不透明です。

(「しんぶん赤旗」2022年2月24日より転載)