日本維新の会は1月25日から始まった衆院予算委員会で、格差と貧困を広げた新自由主義を反省するどころか、政府にさらなる新自由主義の推進を迫っています。
藤田文武議員・維新の会幹事長は1月25日の同委員会で、賃金が上がらない理由について「労働市場の改革に踏み込んだから賃上げも起こらないというのは間違いだ」「労働市場の流動化、解雇規制のあり方について議論を避けているからだ」と主張しました。
岸田首相は「労働移動の円滑化は大変大きなポイントになる」などと応じました。
藤田氏は「企業に負担を負わせ、あまねく国民にセーフティーネットを敷く社会保障の考え方を転換すべきだ」と述べ、大企業の社会保険料負担の引き下げを求めました。税による所得の再分配で、公平を実現する社会保障の理念を否定する暴論です。
足立康史議員は同日の衆院予算委で、国家戦略特区による規制緩和について「諮問会議の開催頻度が明らかに落ちている。普通はドリル(特区)で穴を開けたら全国展開する」と規制緩和の促進を迫りました。
岸田首相は「会議回数は減っているが、スーパーシティ構想、法人による農地取得特例の延長などの制度整備を行ってきた」と述べ、“成果”をアピール。企業の責任と国民生活の安全を投げ捨て、規制緩和を自民と競う―維新の補完勢力ぶりは明らかです。
エネルギー政策でも悪政を推進する役割を果たしています。山本剛正議員は26日の同委員会で、岸田首相が掲げる2030年までの二酸化炭素(CO2)の削減目標について「かなり野心的な目標だ。目標を達成するためには堂々と原子力の議論をやろう」とけしかけると同時に、「東日本大震災のときにCO2の削減だけを叫ぶ無責任な人がいた」などと述べました。原発事故によって故郷を奪われた住民、「原発ゼロ」を願う国民世論を敵視するものです。
(「しんぶん赤旗」2022年1月30日より転載)