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台湾 民意は脱原発・・住民投票 建設再開を否決

四つの問題で投票を行う市民=18日、台北(ロイター)

 【北京=小林拓也】台湾で18日、建設中止となっていた原発の建設再開を認めるかなど4件の住民投票が行われ、いずれも反対多数で否決されました。台湾で脱原発を求める団体は同日夜の声明で、「原発建設を再開させないということが社会の共通認識だと示した」と歓迎しました。

 台湾では、2011年3月の東京電力福島第1原発事故をきっかけに反原発運動が盛り上がり、北部に建設中だった第4原発は14年4月に建設が停止しました。ほかの3原発は25年までに40年の稼働期間満了となります。蔡英文(さい・えいぶん)政権は17年に25年までの脱原発実現を決めています。

 しかし、台湾の保守派や野党・国民党は第4原発建設の再開を主張。保守派が今回の住民投票を提起しました。

 住民投票の結果、原発建設再開「不同意」が426万2451票で、「同意」の380万4755票を上回り、原発再開は否決されました。

 台湾の反原発団体「全国廃核行動プラットフォーム」は声明で、「第4原発は歴史的な終結を迎える。第4原発を再び政争の道具にすべきではない。与野党は速やかに協議を始め、第4原発の計画を廃棄するプロセスに入るべきだ」と求めました。台湾の蔡総統は18日の談話で「台湾人民はエネルギーの転換を支持した」と感謝を述べました。

 住民投票ではこのほか、▽飼料添加物ラクトパミン(肥育促進剤)を使用した豚肉の輸入を再び禁止する▽天然ガス発電関連施設の建設予定地を変更する▽住民投票と大型選挙を同時に実施する―ことが問われましたが、すべて反対多数で否決されました。投票率はいずれも約41%でした。

(「しんぶん赤旗」2021年12月20日より転載)