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「責任の重さ認識を」・・原告主張 東電株主代表訴訟結審

 東京電力福島第1原発事故をめぐり津波対策を怠ったとして、東電の株主39人が旧経営陣5人に対し東電に22兆円を支払うことを求めた訴訟が11月30日、東京地裁(朝倉佳秀裁判長)で結審しました。判決は2022年7月13日になります。

 同訴訟は、12年3月に取締役ら27人を被告として提訴され、その後、勝俣恒久元会長、清水正孝元社長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長、小森明生元常務の5人に絞られました。また東電が、被告人らの補助参加人となっています。

 意見陳述で原告の木村結氏は、旧経営陣が個人賠償によって、人の命に関わる事業を経営する経営者の「責任の重さを認識してほしい」と述べました。

 また原告側は、被告らが国の「長期評価」などに基づいて敷地を超える津波を予見できたし、被告らが津波対策を決断さえすれば、簡単なものから対策工事を行うことで、事故は回避できたと主張しました。原告側弁護人の河合弘之弁護士は「原発運営会社は他の巨大企業一般とは違う格段に重大かつ具体的な注意義務が課せられている」と指摘しました。

 被告側は、いずれも長期評価には十分な予見性がなく、土木学会に検討を依頼し、対策を直ちに取らなかった被告らの判断は合理的で、管理者として注意義務違反はなかったと主張しました。

(「しんぶん赤旗」2021年12月1日より転載)