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福島第1 凍土壁の一部・・地下水流入で温度上昇か

 東京電力は25日の発表で、福島第1原発の1~4号機の建屋周囲の土壌を凍らせて地下水流入を防ぐための凍土壁(陸側遮水壁)の一部で地中温度が上昇している問題で、地下水が流入し凍結範囲の一部が溶けている可能性があると明らかにしました。このため、凍土壁へ地下水が流入しないよう鋼管などを設置し、温度上昇の原因を確認することにしました。

 凍土壁は、1メートル間隔で設置した凍結管にマイナス30度の冷媒を循環させて周辺の土壌を凍らせ、深さ約30メートルの“氷の壁”をつくります。総延長は約1500メートルあります。

 温度上昇は、4号機原子炉建屋の西側。深さ数メートル付近で通常、マイナス10度以下だったのが、8月下旬ごろから上昇傾向が見られ、9月中旬には0度を超え、21日には16度ありました。東電は今月、凍土壁の内側と外側を掘削したところ、外側の深さ約2・5メートルの場所で水を確認しました。本来は凍っている場所のため、東電は「融解の可能性は否定できない」としています。

 東電は地下水の流入は推定されるものの、凍土壁の内側と外側の水位差は確保されており、遮水機能は正常だと説明しています。

(「しんぶん赤旗」2021年11月28日より転載)