九州電力玄海原発は火災発生の確認から唐津市消防本部への通報まで約20分かかりました。同原発は一昨年に起きた火災でも通報遅れが問題になっており、九電の対応が問われます。
九電によると16日午前2時ごろ、現場の工事管理者が煙を発見しました。同6分ごろ、作業者が初期消火を開始。同7分ごろに作業者が当直課長に連絡。当直課長は同14分ごろ、現場の状況を確認したうえ同社の専属自衛消防隊に連絡。唐津市消防本部に通報したのは同23分でした。
市消防が到着したのは同58分ごろで、午前3時5分に鎮火を確認し、火災だったと判断したといいます。
九電は「当直課長が火災の位置や、煙や炎があるのか、けが人の有無、初期消火の実施状況を現場に確認してから専属自衛消防隊に連絡した。市消防への通報は結果的に約20分かかった」としています。
しかし、同原発では2019年12月に敷地内の変電所で起きた火災でも発見から市消防への通報が約20分かかり問題に。唐津市の峰達郎市長は通報が遅れたことに対して厳しい指摘をしていました。
佐賀新聞によると、この指摘をうけ、同社は消防への通報に関する社内規定を変更していました。九電は市消防と協議し、20年3月に、炎と煙を確認し消火が必要と判断した場合に通報するとしていた規定を、消火が必要か判断できない場合でも煙が確認されれば通報するとしました。
原発に詳しい電力会社のある元幹部は、「火災の情報が入ったら、消防にはすぐに連絡をいれることが必要だ。火災の近くに危険物がある場合もある。現場を確認する前に、通報すべきだった」と指摘しています。
(取材班)
(「しんぶん赤旗」2021年11月17日より転載)