東京電力柏崎刈羽原発6号機(新潟県)の建屋の基礎のくいで損傷が見つかったと10日の原子力規制委員会の定例会で報告されました。今後、原子力規制庁が現場を確認するなどして、対応を検討します。
損傷していたのは、6号機原子炉建屋につながっている大物搬入建屋。7月に同建屋の基礎を支える8本の鉄筋コンクリート製くいのうち1本の最上部に損傷を発見しました。調査の結果、くいの中に垂直方向に配置された鉄筋18本は、7本が破断し、11本が変形していました。また、同建屋の他のくいでは鉄筋の損傷は見つかっていないとしています。
石渡明委員は会合で「(鉄筋の)変形破断のパターンは、いままでの強い地震、兵庫県南部地震とか、東北地方太平洋沖地震、熊本地震などで観測されたくいの破断の状況と非常に似ている」とし、2007年の中越沖地震が原因ではないかと指摘しました。東電は、原因は調査中としています。
6号機大物搬入建屋は、原子力規制で耐震性が要求される建物ではありませんでした。しかし、新規制基準への設置変更許可申請の中で、東電が高い耐震性が要求される建屋として新たに指定し、耐震補強のために地盤改良工事を実施中でした。
柏崎刈羽原発はテロ対策の不備が発覚し、4月には規制委が核燃料の移動を禁止する命令を出しています。
(「しんぶん赤旗」2021年11月11日より転載)