災害被災者支援と災害対策改善を求める全国連絡会(全国災対連)は7日、東日本大震災・東京電力福島第1原発事故から10年を経て、被災者本位の復興を求める学習交流集会をオンラインで行いました。
東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センターの小川静治事務局長は、被災地の人口減少が続いている現状や巨額の復興予算が使われたが、被災者支援にはわずかしか使われていないと紹介。「被災者生活再建支援制度の抜本改革が必要だ」と語りました。
ふくしま復興共同センターの斎藤富春代表委員は、東電福島原発事故から10年たったが、生業(なりわい)の再建はほとんど進んでいないと強調。「原子力に依存しない、安全・安心で持続可能な社会づくり」を基本理念とする福島県の「復興ビジョン」の立場に立ち返り、これからの復興のあり方を考えるべきだと述べました。
東日本大震災津波救援・復興岩手県民会議の金野耕治事務局長は、被災者の医療費自己負担と介護保険利用料の免除制度の継続を求める取り組みなどについて報告。中心市街地などの整備は進む一方、中心地に空き地が目立つ自治体もあり、「まちの活性化、コミュニティーの再建、孤独死の防止など課題は山積している」と話しました。
熊本県被災者支援共同センターの山本伸裕世話人(日本共産党県議)は、昨年7月に発生した球磨川水害について報告しました。新型コロナ禍での水害で、ボランティアが避難所に入ることができないなど支援の困難があったと紹介。まちづくりや被災からの再建にあたり、被災者に寄り添った支援のために、専門家の力も生かし、行政による大規模区画整理など惨事便乗型の事業を許さない運動を進めようと語りました。
日弁連災害復興支援委員会前委員長で「一人ひとりが大事にされる災害復興法をつくる会」共同代表の津久井進さんが講演し、「どんな危機の場面でも、一人ひとりを大事にする支援が必要です」と語りました。
西日本豪雨、茨城・常総水害の被災者支援や国の責任を問うたたかいの報告がありました。
(「しんぶん赤旗」2021年11月9日より転載)