「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟原告団は11月7日、福島市で総会を開きました。昨年9月、仙台高裁は、東京電力福島第1原発事故での国と東電の責任を認め、断罪しました。国・東電は判決を不服として最高裁に上告したため、原告団も原状回復請求の却下などを不十分として上告しています。総会には全国各地でたたかう集団訴訟原告団もオンラインで参加しました。
中島孝・生業訴訟原告団長は「この総会で全国の原告が意思統一をしていきたい。運動で政府や最高裁を包囲していこう」と決意を語りました。
馬奈木厳太郎弁護団事務局長は、生業訴訟の最高裁判決がその後に続く全国の訴訟に影響するため、極めて重要であることを強調し「広く連帯して全力で取り組みたい」と力を込めました。
今後の行動方針について、国民の声で最高裁を包囲するために署名が決定的な力になるとして、100万人署名の達成を掲げています。また、勝訴したとしても不十分である賠償金や医療、除染などの賠償以外の問題解決への後押しのために第2陣の役割が重要だとし、来春までに300人の追加提訴で計1500人の原告団を目指すとしています。
原告の1人は事故の風化を危惧し、「国はなかったことにしようとしている」と指摘し、「福島県から被害者の実相を全国に訴えていかなければならない」と力を込めました。
政府が汚染水海洋放出方針を決定したもとで、「汚染水の増加を防ぐ」をテーマに、福島大学で地質や地下水の研究を行う柴崎直明教授が講演しました。
(「しんぶん赤旗」2021年11月8日より転載)