漁業関係者や消費者でつくる「21世紀の水産を考える会」は11月9日、「海とさかなの放射能汚染を考える」と題する討論集会を東京都内で間きました。
1985年から高校生とともに、ビキニ水爆実験被災船員の調査を28年間続けてきた「太平洋核被災支援センター」の山下正寿事務局長が「ビキニ事件と福島原発事故の海洋汚染」をテーマに基調講演しました。船員の被ばく検査もされずに実態を隠したビキニ事件を紹介し「東京電力福島第1原発事故も同じ流れだ」と訴えました。
福島県沖の海洋汚染の調査ポイントは沿岸から30キロの海域に限られ、「少ないうえに粗さがある」と指摘。東電の放射能汚染水とともに、森林から流れた放射性セシウムが河口の泥にたまり、底魚に放射線量が高くなると紹介しました。魚の骨にあるストロンチウムは検査がほとんどないと批判。「納得できる説明を消費者にし、誇りをもって漁業再開するためには、科学的検査を国がする必要がある」と訴えました。
会場の漁業者からは、「放射能汚染水の海洋汚染で漁に不安がある」との声が出されました。
山本浩一・21世紀の水産を考える会代表幹事(静岡県定置漁業協会専務理事)は、放射能の検査員の充実の運動を紹介しました。福島県農民連の亀田俊英会長は、損害賠償と原発ゼロに受けた運動に決意をのべました。