国連特別報告者 原発避難調査を・・80団体、政府に実現要望
東京電力福島第1原発事故の避難者の状況について国連の特別報告者が訪日調査の受け入れを政府に要請している問題で、非政府組織(NGO)など80余の団体は16日、外務省に対し、調査の受け入れを意思表明し、年内の訪日日程を確定するよう要望しました。
国連の人権理事会から任命された、国内避難民の人権に関する特別報告者セシリア・ヒメネス・ダマリー氏は2018年8月から原発事故に伴う避難者の状況について訪日調査を要請。しかし、3年たちますが、日本政府は調査受け入れを表明していません。要望したメンバーによると、同氏の任期は来年中で、遅くとも来年早々の訪日調査が必要だといいます。
同省に要望したメンバーらは同省に要望した後、国会内で会見しました。福島県南相馬市から横浜市に避難した村田弘さんは「全国に避難した人たちが10年間、どういう目に遭ってきたのか。住宅が奪われ、生きていく基本の問題を政府はほったらかしにしてきた。海外の目で現実をしっかり見てもらい、必要な勧告をしてもらう段階だと思う」と述べ、訪日調査の実現を求めました。
東海再処理施設 12月までに60本 ガラス固化を再開・・2年ぶり高レベル廃液処理へ
日本原子力研究開発機構は17日、廃止措置中の東海再処理施設(茨城県東海村)で高レベル放射性廃液のガラス固化処理を2年ぶりに再開したと発表しました。今年12月中旬までに60本のガラス固化体を製造する計画です。
同機構によれば、19年7月に約2年ぶりにガラス固化を再開しましたが、8本目の製造中に作業を停止。溶融炉から溶融ガラスを流下させるノズルの傾きが原因だとして、機構は、ノズルを加熱するコイルなどの装置を新たに作製し交換しました。
作業の再開は当初、今年5月ごろとしていましたが、新たに製造した装置に不備が見つかり、遅れていました。全廃液の固化を28年度末までに終える計画に変更はないとしています。
東海再処理施設は、大量の高レベル放射性廃液を貯蔵し続けていたことから、規制委が新規制基準の適合性が確認されていなくても、ガラス固化を進めるよう要求。機構は、16年からガラス固化作業を開始しましたが、トラブルが繰り返されていました。今年3月末現在、358立方メートルの廃液が貯蔵されています。
(「しんぶん赤旗」2021年8月18日より転載)