敦賀2号機 原電地質データ書き換え・・上司把握 修正指示せず
日本原子力発電が敦賀原発2号機(福井県)の審査資料の地質データを無断で書き換えた問題で、担当グループの上司が規制委から問題を指摘される以前に書き換えを把握しながら「問題ない」と判断し、修正を指示しなかったことが判明しました。原子力規制委員会が19日に開いた公開の会合で、原電が社内調査の途中経過として説明しました。
原電によると、16年に担当グループと調査会社が書き換えを開始。担当グループの指導・助言を行う立場の2人の上司のうち1人は、少なくとも19年8~10月の審査資料の作成時期に書き換えを認識したとしています。
また原電は、書き換えたデータに関して当時は「修正して、提出してもいい」と考えていたと説明しました。
敦賀原発2号機をめぐっては15年3月、規制委の専門家会合が原子炉直下を走る断層が、将来活動する可能性があると判断。原電は、活動性はないとして同年11月、審査を申請。規制委での審査が続いています。
書き換えは2020年2月の規制委の指摘で発覚。書き換えや削除が計80カ所で確認されています。規制委は原電に原因究明を指示。また、本店への立ち入りなど調査を実施しています。
福島第1 放射性物質流出か・・角形タンクから構内の川に
東京電力は19日、福島第1原発の構内で放射性物質に汚染された土壌を保管する角形タンクから放射性物質が漏えいし、構内の川に流れだした可能性があると発表しました。
福島第1原発では先月29日、放射性廃棄物を保管する区域の排水ますの水から全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)が1リットル当たり750ベクレルという値を検出。同じ区域にある、天板のふたがずれた2基の角形タンク内の水から最大で同7万9000ベクレルという高い値が検出されました。
その後、タンク内と排水ますからストロンチウム90などの放射性物質を検出。角形タンク内には、汚染水が浸み込んだ土壌を収めたフレコンバッグが入っていました。東電は、角形タンクの天板のふたのずれで雨水が流入したことで、溶け出した放射性物質があふれたとみています。漏えいした放射性物質の量(ストロンチウム90)は1・7~3・3億ベクレルと推定しています。
東電は、排水ますが構内の川につながっているため、放射性物質を含む水の一部は流れ出した可能性が否定できないとしていますが、「環境への影響はない」としています。
(「しんぶん赤旗」2021年7月21日より転載)