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原発固執 発電比率を維持・・エネルギー基本計画 再生エネ10ポイント超増

 経済産業省は21日、国のエネルギー政策の方向性を定める「エネルギー基本計画」の改定案を公表し、2030年度の電源構成について、総発電量に占める原発の比率を現行同様、20~22%にする目標を示しました。(骨子2、関連15面)

 政府は4月、温室効果ガスの排出量を30年度に13年度比46%削減する方針を決めました。これに合わせ30年度の電源構成を見直します。温室効果ガスの排出量の4割を電力部門が占めています。

 経産省の試算でも高コストが明らかになった原発について、「必要な規模を持続的に活用していく」と固執しました。ただ、国民の反対世論を背景に新増設や建て替えについては盛り込むことができませんでした。

 再生可能エネルギーは現行目標の22~24%から、新目標は36~38%に引き上げます。温室効果ガス削減のため、再生可能エネルギーの目標引き上げは当然の措置です。ただ、環境破壊が問題になっている大型の太陽光発電や風力発電については、企業利益を優先するのではなく、住民本位に推進するルールを定めることが求められています。

 温室効果ガスを排出する火力は現行の56%から41%に減らします。国際的に廃止を求められている石炭火力については、19%程度を見込んでいます。これでは大量の二酸化炭素の排出源を存続するものとして、世界的に批判を浴びます。根本的な見直しが必要です。

 原案はパブリックコメント(意見公募)を経て閣議決定される予定。この秋予定されている国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に提示されます。

(「しんぶん赤旗」2021年7月22日より転載)