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海産物・漁業 影響は?・・仙台で汚染水放出考える講演会 & 島根2号機 審査中断を・・島根・鳥取の党県議ら申し入れ

海産物・漁業 影響は?・・仙台で汚染水放出考える講演会

 菅政権が多くの国民や地元の反対を押し切って4月に決定した福島原発汚染水の海洋放出が海産物や漁業へ与える影響を考える講演会が10日に仙台市で開かれ、オンラインの54人を含めて64人の市民が参加しました。

 主催は、「みやぎ反核医師、歯科医師の会」。刈田啓史郎運営委員は、多くの医療関係者の反対を無視して非常事態宣言下で強行する五輪と同じだと批判し、「海の中で何が起こるのかを学習しよう」とあいさつしました。

 東北大学農学部教授の片山知史氏が講演。原発事故後の海洋資源のセシウムが減衰していることを示し、「しかし、魚は個体差が大きく、今でも基準値超えの魚が取れることがあり、平均値では分からない」と指摘。トリチウムの有機結合体が、生物濃縮で160ベクレルになる論文を示し、「ALPS(アルプス)処理で、ほかの核種も完全には取り切れていない。処理水の海洋放出は危険だ」と強調しました。

 参加者からの「宮城の海の調査は」との疑問に、片山氏は「県の水産試験場で検査しているが、セシウムだけでトリチウムなど他の核種は調べていない」と答えました。


島根2号機 審査中断を・・島根・鳥取の党県議ら申し入れ

 中国電力が秘密保持契約により原子力規制庁から貸与されていた原発のテロ対策施設に関する非公開文書を無断で廃棄していたことが判明した問題で、日本共産党の島根・鳥取両県の県議らが14日、松江市の島根原子力規制事務所を訪れ、中国電力島根原発2号機(松江市)の適合性審査を中断するよう申し入れました。申し入れたのは、市谷知子鳥取県議、島根県議団(尾村利成団長)、松江市議団(田中肇団長)、大平よしのぶ前衆院議員・衆院中国比例候補(代理)と島根県の出雲、安来、雲南、鳥取県の米子、境港の各自治体の党議員15氏。

 市谷、尾村の両氏らは、中国電力が2015年4月に廃棄していたにもかかわらず、規制庁に6年間も未報告だったことを問題視。

 審査書案を了承し、事実上合格した同日の定例会合では、委員5人のうち2人が「無断廃棄の経緯が判明した後に、改めて審査書案を議論すべき」と意見表明していたことにふれ、「今回の無断廃棄の経緯や原因を徹底的に明らかにする必要がある。少なくとも経緯が判明するまでは審査を中断すべきだ」と迫り、島根原発2・3号機をはじめ、全国の原発稼働に向けたあらゆる活動を断念するよう強く求めました。

 加藤照明所長は、誤廃棄の経緯については確認中と述べ、「申し入れ内容は、原子力規制庁に郵送で送らせていただく」と述べるにとどまりました。

(「しんぶん赤旗」2021年7月15日より転載)