福島県三春町の住民らでつくる「汚染水の海洋放出に反対する実行委員会」が10日、東京電力福島第1原発の汚染水海洋放出について経済産業省の説明を聞く会を開きました。
二瓶朝夫実行委員長が「海洋放出は住民の納得と理解なしで進めていいものではない」と訴えました。坂本浩之三春町長と佐藤弘議長があいさつしました。
経産省資源エネルギー庁・原発事故収束対応室の奥田修司氏は、海洋放出とほかの処理方法との比較や、汚染はゼロにならないが規制基準以下にはなるなどと説明しました。
質疑応答では、約120人の参加者の間から疑問と不安の声が相次ぎました。
住民の男性が「今も山ではタケノコもとれず、風評どころでなく実態は被害だらけだ。さらに30年も海に汚染水を流すなんて福島がどうなるか考えてほしい」と訴えました。
海洋放出方針について地元の理解を得られなかった場合の対応を問われた際、奥田氏は「(いくら説明しても)絶対に反対をするんだという人もいます」と述べ、会場から「無視する前提か」「放出ありきだ」などと怒りの声が相次ぎました。
聞く会に参加した60代男性は「先に方針決定をしてから説明を尽くすなんて言われても、とても誠実な対応とは思えない」と話しました。
(「しんぶん赤旗」2021年7月11日より転載)