内閣府原子力委員会は9日、日本が国内外に保有するプルトニウムの総量が2020年末時点で、前年比約0・6トン増の約46・1トンだと発表しました。原爆の材料にもなるプルトニウムを依然として大量に保有しています。
国内保管量は、原発でウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料の新たな装荷がなく、増減はありませんでした。一方、海外に再処理を委託してまだ返還されていない分では、イギリスの事業者側の手続きの遅れで未計上の約0・6トンのプルトニウムが計上され、イギリス分は約21・8トンになりました。海外で保管中のプルトニウムはフランス分と合わせて約37・2トンです。
利用目的のない余剰プルトニウムは持たないとする政府は、普通の原発でMOX燃料を使う「プルサーマル」で、プルトニウムを消費しようとしています。
電気事業連合会は今年、プルトニウムの利用計画を発表し、プルサーマルの実施を30年度までに少なくとも12基としています。しかし、東京電力福島第1原発事故後にプルサーマルを実施したのは4基。その4基も裁判などで運転停止や再稼働の遅れが起きています。
(「しんぶん赤旗」2021年7月10日より転載)