菅政権が「関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」との約束を反故(ほご)にして決定した原発汚染水の海洋放出方針をめぐり、日本共産党の高橋千鶴子衆院議員、岩渕友参院議員は8日、福島県のいわき市漁協の江川章組合長と懇談しました。
ふなやま由美衆院東北比例候補、くまがい智福島5区候補、高橋明子、菅野宗長両市議が同席しました。
高橋衆院議員は岩渕友氏と4月に同漁協を訪れ、同月12日に菅義偉首相に漁業者の声をぶつけて質問したと報告。江川組合長は感謝を述べるとともに、海洋放出決定に「出来レースではないか」と憤りを口にしました。
高橋氏は、政府が方針決定に際し、説明・意見交換をしていく考えを示したが、実行していますかと質問。江川氏は「そういうのはない」と答えました。
懇談した漁業者からは「もう決まったことでは」との声も上がりました。
高橋氏は国会で政府・東京電力をただし、海洋放出しても現在の汚染水タンクがなくなるのに40年かかり、急いで放出決定する必要性もない事実が明らかになったと紹介。「形だけ『放出する』と決めても、実施過程にさまざまな矛盾があり、簡単に進まない。県内外であきらめずに声を上げ、撤回させましょう」と呼びかけました。
江川組合長は「漁業者がアクションを起こすことが必要だ」と応じました。
(「しんぶん赤旗」2021年7月9日より転載)