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東電賠償に不信続出・・汚染水放出めぐり作業部会

 東京電力福島第1原発事故で発生する放射能汚染水を処理した後に残る高濃度のトリチウム(3重水素)汚染水(アルプス処理水)を基準値未満に薄めて海に流す方針をめぐって、政府の作業部会が29日、開かれました。福島県の関係者から、原発事故被害へのこれまでの東電の賠償について不信の声が相次ぎました。

 福島県森林組合連合会の田子英司会長は、改めて海洋放出反対の立場を表明。シイタケの原木、野生のキノコや山菜の出荷制限に苦しむ地元の現状を訴えました。賠償をめぐって「(東電との)信頼関係が構築できているかは甚だ疑問だ」と述べました。

 県商工会連合会の轡田(くつわた)倉治会長は、風評被害を出さないことが大前提だと強調したうえで、これまでの東電による賠償が前進していないことをあげ、損害賠償の基準を明らかにするよう求めました。

 いわき市の新妻英正副市長は、同市が請求した損害賠償の4割しか支払われていないと指摘。風評による損害について「被害者が加害者に対して説明責任を負うのはいかがなものか」と述べました。

 県旅館ホテル生活衛生同業組合は書面意見で「原子力損害賠償紛争解決センターによる和解の仲介に、東京電力が応じないという事案も、多々聞き及んでいる」として、政府に指導を求めました。

(「しんぶん赤旗」2021年7月1日より転載)