島根2号機、再稼働「適合」・・規制委了承 県庁は10キロ圏内
原子力規制委員会は23日、中国電力島根原発2号機(島根県松江市)について再稼働に必要な新規制基準に「適合」しているとの審査書案を了承しました。30日間の意見募集を行います。規制委が、審査書案を了承した原発は17基目。重大事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型で了承されたのは5基目ですが、いずれも再稼働していません。
島根原発は全国で唯一県庁所在地に立地し、原発から10キロ圏内に県庁や県警察本部など中枢機関があります。避難計画が義務付けられている半径30キロ圏内には、鳥取県の境港、米子なども含め2県6市に約46万人が暮らしています。
審査の申請は13年12月。震源断層の長さの評価などをめぐり、審査が長期化しました。中国電は建設当初、対策が必要な活断層は「ない」としてきましたが、98年に原発の南2キロにある宍道(しんじ)断層の存在を認めました。規制委申請後も訂正を繰り返し、長さの評価は22キロから39キロに延びました。
想定される最大の地震の揺れも600ガル(ガルは加速度の単位)から、820ガルに引き上げられました。
また、中国電は、10年には500カ所以上の点検漏れの隠ぺいが発覚。さらに再発防止を誓った後も、データのねつ造などの不祥事が繰り返されています。
再稼働には、対策工事などを完了させるほか、地元合意が必要になります。
島根2号機 再稼働するな・・島根、共産党宣伝
原子力規制委員会が23日の定例会合で中国電力島根原発2号機(松江市)の再稼働に必要な安全対策をまとめた審査書案を了承し、事実上の合格となったことを受け、同日、日本共産党の上代善雄県委員長、岩田剛東部地区委員長、尾村利成、大国陽介の両県議、田中肇、舟木健治、橘ふみ各市議が県庁前で緊急宣伝しました。
「合格」は、事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型原発では5基目。今後、一般の意見公募(6月24日~7月23日まで)などを経て、今秋にも正式合格が見込まれています。
尾村県議は、(1)島根原発直下には140キロもの活断層(宍道断層39キロ、鳥取沖断層98キロ)が走っている(2)実効ある避難計画は未策定(3)不正・不祥事を繰り返す中電に原発を運転する資格はない―などを指摘し、「総選挙で日本共産党の躍進と、市民と野党共闘の勝利で『原発ゼロ基本法』を可決させよう」と訴えました。
(「しんぶん赤旗」2021年6月24日より転載)