中国電力が原子力規制委員会から機密保持契約のうえ貸与されていたテロ対策施設「特定重大事故等対処施設」(特重施設)に関する文書を島根原発で誤って破棄していたことが分かりました。規制委が23日明らかにしました。
規制委によると、破棄されたのは、意図的な航空機衝突に関する審査ガイド。「極秘」の次に厳重な管理が求められる「機密性3」に指定されています。規制委が2014年10月に秘密保持契約を結んだ上で、中国電力に全6部を提供していました。
今月21日に中国電から、島根電力に保管していた1部を15年4月に誤ってシュレッダーにかけていたと報告がありました。提供文書の管理状況を定期的に報告するように規制委との契約内容を3月に改訂。今月23日が報告期限でした。
23日の定例会では、中国電力の島根原発2号機の審査書案が議論されていました。一部の委員からは、今回の事案の詳細が確認されていないことから審査書案の議論を中断するよう意見が出ましたが、多数決で5人の委員のうち3人が議論の継続を支持。審査書案が了承されました。
(「しんぶん赤旗」2021年6月24日より転載)