ウェブセミナー開催
「原発のコストはどうなっているのか エネルギー基本計画の焦点」をテーマに第5回エネルギー研究会ウェブセミナーが31日、行われました。科学研究費基盤研究「炭素制約と市場化の下での電力システム―その定量的評価と政策研究」(代表・大島堅一龍谷大学教授)の研究の一部として、開かれたものです。
報告した大島氏は、エネルギー基本計画の見直しを検討している経済産業省総合資源エネルギー調査会のワーキンググループの議論は、原発のコストに関して、根拠が具体的に示されないにもかかわらず「安めの想定」が用いられていると指摘。社会的費用を含めて計算すると、最も高いのは石炭火力、次いで原発となる試算例を示しました。エネルギー基本計画は、現実に基づいたコスト計算を基礎に作るべきだとしました。
また、原子力資料情報室の松久保肇氏は、この冬の電力需給ひっ迫について、関西電力の原発が一時、トラブルなどで全機定期検査中であったことを説明。大規模電源である原発が計画外に停止した場合の影響が大きい上に、原発がこれまでも共通原因で停止し得ることなどを指摘しました。原発を使い続けた場合、原発停止に備えた蓄電池などの考慮が必要になると問題提起しました。
(「しんぶん赤旗」2021年6月2日より転載)