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原発汚染水海洋放出 福島県民は納得できない・・原発問題住民運動全国連絡センター 伊東達也筆頭代表委員

 「原発をなくす全国連絡会」が首相官邸前で行った、東京電力福島第1原発事故で発生した汚染水の海洋放出に反対する行動(12日)。原発問題住民運動全国連絡センターの伊東達也筆頭代表委員の訴えを紹介します。

 怒りがわきおこっている福島県いわき市からまいりました。世論調査では、福島県民は納得できない、海洋放出に反対だというのが必ず半数を大きく超え続けてきました。

 東日本大震災と福島第1原発の事故発生から10年。今でも福島県民は苦しみ続け、復興を目指して懸命の努力を続けてきました。にもかかわらず、第一に責任をとらなければならない国と東電は海洋放出を決定するというのです。

 漁業者をはじめ多くの県民は汚染水の放出に反対か慎重論です。福島県内の自治体議会の7割以上が反対か慎重にと決議をあげています。もし汚染水が海に流されるならば、風評被害はもとより本格操業を目指している福島県の漁業に壊滅的な打撃を与え、これまでの努力が水泡に帰すでしょう。多くの福島県民は傷口に塩を塗られるような思いです。

 汚染水の海洋放出は絶対行わないこと、当面は陸上保管を継続して、国内外の英知を結集して、解決を図ることを求めます。

 福島県民の意見を聞いてください。福島県民の願いを聞いてもらいたい。

 例えば原発関連死は昨日(11日)の段階で2321人です。津波による直接死が1605人です。原発事故で避難し職を奪われ家を奪われた多くの人々が、不安の中で暮らさざるをえない。こうした現実が死に追いやっているのです。

 福島第1原発事故は、日本の公害発生の歴史上、最大の公害だといってまちがいないでしょう。福島県民のアンケート調査では、「これから何年かかったら元の生活に戻るでしょうか」との問いに、圧倒的多数が20年以上と答えました。

 県民が一生懸命復興を目指して頑張っている。自分の代で田畑を荒らせば継ぐ人はいなくなる。自分が死ぬまでに何としても戻って田畑を耕したい。こうしたことも無にするのが海洋放出です。

 全力をあげて海洋放出に反対し、やめさせなければなりません。

(「しんぶん赤旗」2021年4月14日より転載)