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福島に生きる いわき市労連事務局長 菅家新さん(69) 原発労働者を守れ

 福島県いわき市労働組合総連合事務局長の菅家新さん(69)は、東京電力福島第1原発事故のあった2011年3月は、県立高校の教師でした。

■生徒の声に衝撃

 放射能の影響を恐れて、「先生、私結婚できないよね」「私、もう子ども産めないよね」という女子生徒もいたといいます。「衝撃でした」と振り返ります。

 12年3月に定年退職。以来、いわき市労連事務局長として活動してきました。

 原発労働者からは労働相談が相次ぎました。

 東電や大手建設会社を頂点とする雇用ピラミッドの底辺で働く下請け労働者。「彼らに対する不当な取り扱いは後を絶ちません」

 「1週間たてば、(被ばくした)放射線量は半減する」「被ばくしたとしても線量が積み上がることはない」。現場の上司からは、こんなデタラメも耳にしました。

■不当な雇用状態

 「線量計を鉛で囲っていたことが問題になったことも。労使ともに長期雇用を願ってのことです」と菅家さん。「彼らは、東電の正社員ではなく、保全業務の受託会社に一時的に雇用される日雇い労働者です。原発を転々としながら、生計を立てています。賃金の未払いや労働災害のトラブルも多いです」

 労働者は、不当で不安定な雇用状態に置かれてきました。

 「危険手当がもらえない。ピンハネされている」「何か言うと脅される」。報復を恐れて沈黙してしまう原発労働者が多数います。

 元請けは大手ゼネコンです。そこには7層を越す下請けが連なっています。末端には会社の登記すらない零細業者も存在します。

 「原発労働者が労働組合をつくる動きをするとつぶされる」と悔しがる菅家さん。

 「最近あった出来事なんですが、危険手当が未払いだと言うことで『労働組合をつくって交渉しよう』と10人ぐらいで集まったんです。次の日の朝になるとそのことが会社に知られていた。頓挫してしまいました」

 教師時代、東電福島第2原発建設の差し止め裁判の支援をしていました。

 原発事故後、国と東電に完全賠償を求めて13年3月に提訴した、いわき市民訴訟(伊東達也原告団長)の原告となった菅家さん。26日に福島地裁いわき支部である判決に「加害責任を明確にし、被害救済が法的にも必要なことだとした判断を期待します」と話しています。

 (菅野尚夫)

(「しんぶん赤旗」2021年3月21日より転載)