「勝ったー。私たちが頑張ったからよ」。30キロ圏内に全国の原発で最多の94万人を抱える日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の運転差し止めの判決が下された18日、水戸地裁前は歓声に包まれました。
地裁前に詰め掛けた支援者を前に「勝訴」「首都圏も守られた」の手持ち旗が掲げられると、「やったー」という声が上がり、提訴から8年半のたたかいをねぎらい合う姿が見られました。
原告団事務局の伊藤博久さん(38)は「非常にうれしい。2011年1月に長男が生まれ、その後、福島第1の事故があり命の重さを計る大切な裁判だと思っていた」と顔を紅潮させて語りました。
東海第2原発から直線距離で1キロ強に自宅がある小林栄次さん(71)は「事故が起これば、二度と帰ってこれない場所に住んでいる。判決を受け止め、県民の命と暮らしを守るためには廃炉しかない」と断言。
報告集会では、原告団の大石光伸共同代表が拍手に包まれながら「首都圏4千万人の命に関わる判決。みなさんの毎日の暮らし、命に関わることについて司法が大変重く受け止めた。福島のみなさんの、同じ思いを二度とさせないでほしい、原発を止めてほしいという思いに報いる判決です」と発言しました。(吉岡淳一)
(「しんぶん赤旗」2021年3月19日より転載)