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東日本大震災10年 原発ゼロ 誓い新た

「原発なくせ」とスタンディング宣伝する参加者=11日、福島市

福島 大きく踏みだそう

 原発ゼロ実現へ大きく足を踏み出そうと、福島医療生協と同労組が11日朝、福島市内の国道沿いで共同のスタンディング宣伝を行いました。コロナ禍の医療・介護を守れと昨秋に開いた就業前集会に続き、2度目の労使共同行動です。

 医療生協組合員、わたり病院の職員、地域住民らが参加。メッセージを「なくせ原発」の文字の形につなぎあわせた横断幕、「原発再稼働反対」の7文字を1文字ずつつくったポスター、さらに思い思いの訴えを書いたプラスターなどを掲げて宣伝。同医療生協の斎藤紀理事長(医師)が「二度と原発事故を起こさせてはなりません」と訴えました。

 共同集会で医療生協の山口裕専務、同労組の佐藤正悟委員長があいさつ。看護師の菅野千佳さん(35)は「厳しい中でも安心して働き、看護師になってよかったと思えるよう国が支援してほしい」と話しました。


茨城 安全こそ真の復興

 茨城県つくば市で11日、「さよなら原発!守ろう憲法!昼休み集会」が取り組まれ、約100人の参加者が東日本大震災の被災者を追悼し、東海第2原発(東海村)の廃炉や9条改憲ストップを呼びかけました。

 「戦争をする国づくりNO@つくば」の山本千秋代表が「大震災と被災者を忘れないように思いを形にしたい」と主催者あいさつ。

 福島原発事故の避難指示で住まいを追われ、原発事故被害者「相双の会」会長をつとめる国分富夫さんが福島から駆け付け「10年間生きた心地がしなかった」と吐露。「自然災害であれば復興は進んだと思うが、放射能被害は元に戻るのに300年かかると言われる。安心・安全に暮らせるということが真の復興だ」と力を込めました。

 東海第2原発運転差し止め訴訟をたたかう大石光伸・原告団共同代表は「無責任な国や電力資本に原発再稼働を口にする資格はない」と批判。8年半たたかわれた裁判が今月18日に判決を迎えるとし、「福島の皆さんの願いに報いる判決を勝ち取りたい」と話しました。

 参加した同市の女性(59)は「東海第2を早く廃炉にしてほしいという思いを新たにした。危険な原発の再稼働はしてほしくない」と話していました。


北海道 重荷背負っている

 「10年たっても復興したとは言えない」―。原発問題全道連絡会と国民大運動北海道実行委員会は11日、東日本大震災・福島原発事故10周年追悼と連帯のメモリアル行動を繰り広げました。

 札幌駅前広場で50人以上が横断幕や、のぼりを掲げ、原発ゼロ署名と、泊原発再稼働反対署名を呼びかけました。震災発生時刻に全員で黙とうしました。

 トラック運転者の夫が青森県八戸港で被災したという60代女性は「命からがら高台に避難し、津波から逃れて札幌に帰りました。今も重荷を背負っています。二度と事故を起こさないため、原発は止めるべきです」と署名。77歳男性は「いまだ孤独死する人がいる。復興していない。政府は責任をもって補償すべきだ」と力を込めてサインしました。

 道原発連の堀一代表委員が、ふくしま復興共同センターからの連帯メッセージを紹介しました。道労連の三上友衛議長、日本共産党の、はたやま和也前衆院議員が訴えました。


佐賀 問われる節目の年

 「さよなら原発!佐賀連絡会」は11日、佐賀県庁前の「くすの栄橋」で約30人が参加し、リレートークや「原発いらない」「電気は足りてる」とコールしました。

 事務局の杉野ちせ子さんは「原発事故から10年たってもいまだに故郷に帰れない人もいる。福島の原発事故さえなければこんなことにはならなかった。それなのに今でも原発が動いていることが信じられない。すべての原発を止めるまでみんなで頑張っていきたい」と訴えました。

 日本共産党の武藤明美県議は「世界の国々は原発から手を引こうとしているのに、事故を起こした日本は原発にしがみついている」と批判しました。

 井上祐輔県議は「福島原発事故から10年たった今でも『原子力緊急事態宣言』は解除されていません。10年の節目の年に原発ゼロを目指すのか、このまま危険な原発を残すのかが問われています。安心して暮らしたいと願うみなさんの思いが原発ゼロを実現させる大きな力になります」と呼びかけました。

 池﨑もとこ市議候補も訴えました。

 宣伝行動に参加した田中浩平さん(26)は「呼びかけることで考えるきっかけになると思います。原発は事故が起こったら放射能がでます。人体に影響はあるし、福島では除染作業が行われています。なくす努力が必要です」と話しました。


埼玉 早く故郷帰りたい

 「戦争させない!埼玉の会」は東日本大震災・福島原発事故から10年になる11日、さいたま市で「フクシマ(福島)を忘れない!昼宣伝」を行いました。日本共産党の梅村さえこ衆院北関東比例候補、柳下(やぎした)礼子、村岡正嗣、秋山文和の各県議や、日本共産党も加わる「みんなのさいたま市をつくる会」の前島英男市長候補も参加しました。

 梅村氏は「震災から10年たったからと、政府はさまざまな支援制度を廃止・縮小しようとしている。避難者がどんな状況にあるか調べれば、支援を打ち切ることなどできないはずだ」と批判しました。

 柳下氏は「県議会で自民党などが原発再稼働推進の意見書を上げたことがある。原発を再稼働しようとしている菅義偉政権を総選挙で倒そう」と呼びかけました。

 前島氏は「福島県から避難してきた子どもたちのために学校と交渉して校庭を使う許可をとったことがある」と話しました。

 福島県双葉町から避難してきた鵜沼久江さんは「原発事故が早く収束し、早く家に帰りたい。避難者はそんな気持ちで生活しています。懸命に反対しないと事故はまた起きる。第二の双葉町をつくらないよう協力してほしい」と訴えました。

(「しんぶん赤旗」2021年3月12日より転載)