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独、国外に脱原発喚起へ・・気候変動対策への位置付け反対も

 【ベルリン=桑野白馬】ドイツ環境省は11日、東京電力福島第1原発事故から10年が経過したのを機に、脱原発の完遂を目指す行動指針を公表しました。欧州連合(EU)諸国をはじめ他国も脱原発に向けかじを切るよう国際的に働きかけていくことなどを盛り込みました。

 指針は、ドイツが来年に原発を全廃する見込みであるものの、依然としてリスクが残ると指摘。「欧州の志を同じくする国と協力し、他の国々が脱原発に加わるよう積極的に働きかけていく」と表明しました。

 指針は、二酸化炭素(CO2)を排出しない原発を気候変動対策に位置付けることは「コストが莫大(ばくだい)で、将来世代に負担をかける」などとして反対しました。

 シュルツェ環境・原子力安全相は11日の声明で、原発維持による気候変動対策は「致命的な間違いだ」と強調。高コストに加え大量の放射性廃棄物に対処する必要があり「持続可能でない」と一蹴しています。

 指針は、低コストを利点とし次世代の原発と呼ばれる「小型モジュール炉(SMR)」についても反対する考えを強調。再生可能エネルギー普及の加速が必要だと指摘しました。

 国外の原発については「リスクは国境で止まらない」とし、EU内外で原発新設への公的支援や稼働期間の延長に反対する方針を示しました。EUでは加盟27カ国中、ほぼ半数が原発を維持しています。

(「しんぶん赤旗」2021年3月13日より転載)