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反原連 たたかい9年 形を変えて運動続ける・・ミサオ・レッドウルフさん

 官邸前抗議9年間の歩みと今後の活動について、ミサオ・レッドウルフさんに聞きました。

 (聞き手・内田達朗、写真・橋爪拓治)

 2012年3月以来ほぼ毎週、抗議行動を続けてきました。よく続けてきたな、というのが正直なところです。

 参加者のみなさんが、毎週続けて参加し続けてくださり、スタッフもよく頑張りました。長年、運動してきた労働組合のみなさんも理解・協力してくれました。活動継続のために呼びかけたドネーション(寄付)にも大きな支援をいただきました。お礼を申し上げます。

全国に拡大

 反原連が首相官邸前抗議を行い、全国各地でも脱原発を求める抗議が広がりました。脱原発の圧倒的な世論を可視化する役割を果たせたと思います。

 私は、2006年から脱原発のデモなどを行ってきましたが、原発事故を契機に反原連を立ち上げ、金曜官邸前抗議も始めました。

 多くの人が参加しやすいように、のぼり・プラカードも脱原発に限定し、「非暴力」の姿勢を貫きました。

 12年6月の官邸前抗議に約20万人が集まり、当時の野田佳彦首相との会談が実現し、「30年代に原発ゼロ」とする政策決定にも影響を与えました。

 その後も、「自分たちも脱原発の声をあげたい」と多くのみなさんが官邸前・国会前に足を運び続けました。「自分たちの思いを訴えたい」と始めた抗議でしたが、「ここに来たい人たちのために」と続けてきました。

 自公政権に戻って再稼働の動きが強まるなかで、市民が政治を動かしてきました。国会前集会でも野党が勢ぞろいするまでになりました。

 原発問題では、さまざまな経過がありましたが、「NO NUKES」の一点で、市民から「超党派で取り組もう」の声が広がり、全労連などの「原発をなくす全国連絡会」、平和フォーラムなどの「さようなら原発1000万人アクション」との統一行動が実現しました。

「官邸前へ」

 「なにかあったら官邸前へ」という流れができ、集団的自衛権行使を認める閣議決定や安保法などさまざまな課題でも市民の自発的な抗議が行われました。野党の議員も参加し、「市民と野党の共闘」の流れが大きくなったことはうれしい限りです。安保法反対のたたかいを通じて、総がかり行動実行委員会が結成され、こうした流れが広がっています。

 東京電力福島第1原発事故を経験した国で原発がなくならず、今もなお「脱原発」を訴え続けなければならないことは異常なことです。

 抗議開始から9年、スタッフの負担もあり、毎週金曜日の抗議は、3月26日を最後に休止しますが、ホームページやSNSなどでの発信、ラジオ・スタイルのネット企画「MCAN podcast」、ステートメントの発表などをしていきます。原発政策を変えるまで続けていきますので、引き続きともに声をあげ続けましょう。

(「しんぶん赤旗」2021年3月7日より転載)