汚染水タンク53基 ズレ・・福島第1 13日の地震 最大19センチ
東京電力は2月25日、福島第1原発の構内で放射能汚染水などをためているタンク53基が、13日深夜に発生した福島県沖の地震でずれ動いたことを確認したと発表しました。ずれは最大で19センチ。タンク同士をつなぐ連結管の5カ所で変位量がメーカー推奨値を超えましたが、現時点で漏えいは確認されていないといいます。
東電は地震後、タンクエリアの全1074基を調査した結果、53基がずれ動いたことが判明しました。とくにずれが大きかった「Dエリア」では41基のうち13基がずれました。Dエリアは、原子炉注水のために塩分を除去した汚染水、多核種除去設備(アルプス)で処理する前の汚染水をためたタンクが連結弁を開いており、それらのずれが顕著でした。
一方、アルプスで処理した後の水をためたタンクでもずれが見つかりましたが、大半は満水後に連結弁を閉めていました。地震発生時に処理水を受け入れていたタンクは今回、ずれが確認されなかったといいます。
今回の地震をめぐっては、3号機原子炉建屋に昨年設置した地震計2台が故障していたにもかかわらず、報告も復旧もしていなかった東電に批判の声があがっています。東電は同日、3号機の地震計を3月中に復旧し、運用結果を踏まえて1、2号機への設置も検討すると発表しました。
新たに「未完了工事」・・東電 柏崎刈羽 検査終了「未定」に
東京電力は26日、柏崎刈羽原発7号機(新潟県)について安全確保のための対策工事が終わっていないことが新たに見つかったため、検査工程を見直し、原子力規制委員会に申請しました。当初、6月を予定した検査終了時期を「未定」と変更し、再稼働の時期が見通せなくなっています。
東電によると、原子炉建屋地下1階から地下2階に通じる「高圧代替注水系ポンプ」と呼ばれる配管の貫通部の漏水防止工事が施されていなかったといいます。
東京電力は1月12日に工事が完了したと発表していました。しかし、その後、6、7号機中央制御室用の設備が保管されている区域で火災が発生した際に、ガスを隔離する装置の設置が未完了だったことや、7号機の重大事故等対処施設用の電路が敷設されている通路の火災感知器が設置されていないことがわかっています。
(「しんぶん赤旗」2021年2月27日より転載)