東京電力福島第1原発3号機に設置された地震計2台が故障したまま放置されていたため、福島県、宮城県で震度6強を記録した2月13日の地震の観測記録が取れていなかったことが分かりました。原子力規制委員会の検討会で、東電が明らかにしました。地震発生からこれまで東電は説明してきませんでした。
13日の地震では、福島第1原発6号機で235・1ガル(ガルは加速度の単位)を記録しています。
東電によれば、事故時の爆発で損傷した3号機原子炉建屋の耐震性を評価するために昨年、建屋最上階のオペレーションフロア(5階)と1階に地震計を昨年3月に設置。しかし、いずれも昨年7月と10月に故障しましたが、東電は修復などの対応をしてこなかったと説明しました。
東電は2007年の中越沖地震の際の柏崎刈羽原発(新潟県)や11年の東北地方太平洋沖地震の際の福島第1原発で、地震計の不具合などで地震波の一部の記録が取れなかったことがあります。検討会に出席した専門家からは「真剣に取り組んでいないのではないか」「東電は危機管理ができていない」などの批判が相次ぎました。
(「しんぶん赤旗」2021年2月23日より転載)