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論戦ハイライト 原発事故から10年 「廃炉」の定義さえあいまい・・衆院予算委 高橋議員が追及

 2月22日の衆院予算委員会で、東日本大震災・原発事故から10年となるのを前に、東京電力福島第1原発の廃炉についてただした日本共産党の高橋千鶴子議員。「廃炉」の定義さえ曖昧なまま、完了まで「30~40年」と区切る国の姿勢を批判しました。

未提出な計画案

 高橋氏は、「国の定めた中長期ロードマップ(行程表)には『廃止措置終了』まで30~40年とあるが、1~4号機については廃止措置計画が未提出だ。何をもって廃止措置だと考えているのか」と追及。東電の小早川智明社長は「地元の関係者や国などと相談する」と述べるにとどまりました。

 高橋氏は、ロードマップでは、デブリ(溶け落ちた核燃料)の取り出し開始時期を「2021年内」としていると指摘。取り出し作業の前には訓練施設など関連施設の整備が必要で、一つずつ原子力規制委員会の認可が求められるとして、計画の実効性を疑問視。「関連施設が少しでも建てば“開始”と言うのか。欺瞞(ぎまん)だ。できないことはできないと、国民にきちんと説明すべきだ」と主張しました。

 高橋氏は、原子力規制委員会の調査(1月26日公表)で、原子炉格納容器の上ぶたに約2京~4京(京は兆の1万倍)もの放射性セシウムが付着していると判明したことについて、「途方もない線量だ。規制委の更田豊志委員長は『廃炉にとって極めてインパクトの強い情報だ』と述べた」と強調。「デブリは、その10倍以上の濃度があり、測ることも近づくこともできない」と指摘しました。

「期限変えない」

 その上で、上ぶたや燃料デブリは高レベル放射性廃棄物であり、取り出し後の置き場や処分方法などは決まっていないにもかかわらず、「40年の期限は変えない」とした梶山弘志経済産業相の答弁(10日、立憲民主党の阿部知子議員の質疑)を批判しました。

 高橋 答弁はおかしい。政府が期限を区切るから、東電ができないものを「できない」と言えない。

 小早川 「30~40年」は大きな目標値として認識している。

 高橋氏は最後に、原発事故で福島県から千葉県に避難した住民の集団訴訟で国の責任を認めた東京高裁判決を「国は重く受け止めるべきだ」と主張しました。各地の避難者訴訟で「全く反省のない国の姿勢が幾重にも原告を傷つけてきた」と批判。群馬訴訟に国が提出した準備書面は、「自主的避難等対象区域に居住する住民の心情を害し、ひいては我が国の国土に対する不当な評価となるものであって、容認できない」という驚くべき表現だと告発し、政府の共通認識かとただしました。

 高橋 事故を防げず、廃炉の見通しも示せない国に、被災者を非難する権利があるのか。

 菅首相 原発事故を原因に損害が発生したと法的に認められるか否かの観点から提出したものだ。

 高橋氏は、自主避難者を傷つける言動への反省がない政府の態度を、「(書面の)言葉は原告だけでなく、帰れないと思っている全ての被災者に向けられたものだ」と重ねて批判しました。

(「しんぶん赤旗」2021年2月23日より転載)