原発が出す高レベル放射性廃棄物の一時貯蔵施設や六ケ所再処理工場がある青森。「青森から原発ゼロへ」と2012年から「金曜日行動」に参加する戸川雅子さん(67)の思いは―。(阿部活士)
雪のなか、今年も元日から「金曜日行動」で「今年は東京電力福島第1原発事故から10年です。原発や核燃料施設が立地する青森から声をあげることが、全国の原発をとめ、なくす力になります」と声をあげました。
青森には、処理の展望もない危険な高レベル放射性廃液が大量に貯蔵されています。自然災害や重大事故で停電が続けば、放射性廃液は沸騰・爆発して日本を壊滅させる破壊力があります。だからこそ原発はいらないし、核燃料施設をなくすべきです。
原発や核燃料施設の怖さを感じたのは、1986年4月に起きたソ連のチェルノブイリ事故でした。子どもがまだ4歳の時でした。
地震、津波、台風、火山噴火など日本列島は毎年のようにどこかで自然災害が起きています。「再処理工場で何かあれば子どもたちの将来はどうなるのか。自分が動こう」と核燃料施設をなくそうと市民運動を始めました。
その後、危惧していた原発事故が東京電力福島第1原発で起きたことから2012年、「なくそう原発・核燃、あおもりネットワーク」結成に参加し、「金曜日行動」を続けてきました。
すぐに成果になるとは思いませんが、どんな時でも、一人になっても、自分の意思表示はしたいなと思って続けています。
青森を核のゴミの青最終処分地にしない署名も呼びかけています。
続けてきたなかで見えてきたことがあります。例えば添加物を使わない安心・安全な食べ物や水の大切さ。それは、地球環境を守ることと重なります。
今年は総選挙の年です。何としても、あきれた自公政権を倒したい。自分たちの暮らしはよくならないですから。
2年前の参院選で東北6県は、野党統一候補が青森を除いて、自民現職を破って勝利しました。悔しさとともに市民と野党の共闘の力強さを感じました。青森でも市民が野党を後押しして野党連合政権をつくったら、原発をゼロにして地球温暖化対策に取り組む社会になります。若い世代や現役世代がもっと投票に行ってもらいたいと、呼びかけます。
(「しんぶん赤旗」2021年1月9日より転載)