政府のエネルギー基本計画の見直しの議論が始まるなか、環境団体などが「原発や石炭依存から脱却」などの見解を発表しています。
現行の基本計画は、原発や石炭を「重要なベースロード電源」と位置づけて推進しています。
国際環境NGO「FoE Japan」は声明を発表。原子力利用からの脱却、大量消費や化石燃料依存の経済のあり方を見直し、発電量に占める再生可能エネルギーの割合を2030年までに最低でも50%、50年までに100%にするよう提案。石炭火力は遅くとも30年までに廃止することや、計画の見直しにあたっては「可能な限り多様な立場の市民に参加の道を開き、民意を反映できる仕組みを構築して」と求めています。
NPO「気候ネットワーク」は、国際的枠組み「パリ協定」が掲げた、産業革命前から地球の平均気温上昇を1・5度に抑える努力目標と基本計画を整合するものにと提言を発表しました。発電部門では30年の電源構成で脱石炭・脱原発の実現、石炭火力の30年までの全廃をはじめ、再エネについては50年までに100%の社会の実現に向け30年までに50%以上とする目標を掲げ、系統連系増強など事業環境の整備が急務だとしています。基本計画の審議には、市民参加のプロセスや情報開示が不可欠だとしています。
(「しんぶん赤旗」2020年12月21日より転載)