財政難の自治体誘導・・岩渕氏、原発交付金を批判
参院行政監視小委
北海道寿都町と神恵内村が調査費の交付を目的に高レベル放射性廃棄物の最終処分場建設の調査を受け入れたことに関し、日本共産党の岩渕友議員は30日の参院行政監視小委員会で「財政難の自治体を交付金で誘導してはならない」と強調しました。
岩渕氏は、神恵内村は隣村の泊原発にかかわる原発交付金が支給され、「消防士などの人件費や小中学校の改修費に充てている」と述べ、「財政規模が約20億円の村に2年間最大20億円が調査で交付される。いかに破格か」と指摘しました。
自治体の財政難について武田良太総務相が「市町村が自ら考えること。国がどうこう言うべきでない」と述べたのに対し、岩渕氏は「自治体に交付金で国策を押し付けるやり方は原発マネーに依存する状況をつくる」と主張しました。
また、神恵内村の人口がこの5年間で100人以上減ったことについて、「原発マネーは人口減少などの問題を解決していない」と指摘。2019年までの45年間に全国で4兆円以上の原発などの立地交付金・補助金が配られたことを挙げ、「巨額の交付金で最終処分場に応募させるやり方は許されない」と批判しました。
原発汚染水 海に流すな・・岩渕氏 漁業者の要望応じよ
岩渕友議員は24日の参院経済産業委員会で、東京電力福島第1原子力発電所事故により発生し、設備処理後、敷地内タンクで保管している汚染水について、海洋放出を絶対に行わないよう迫りました。
福島県漁連は2015年8月、「タンクにて責任を持って厳重に保管管理を行い、漁業者、国民の理解を得られない海洋放出は絶対に行わないこと」という要望書を東電と国に提出しています。これに対し、東電は「プロセスや関係者の理解なしにはいかなる処分も行わず、多核種除去設備で処理した水は発電所敷地内のタンクに貯留いたします」と回答しています。
岩渕氏はこのことを示し「この立場に今も変わりはないか」とただしました。東電の小早川智明社長は「今後国が示す基本的な方針に従い適切に対応していく」と述べるのみ。梶山弘志経済産業相は「理解を得られるよう努力し続けることが大切という考え方は一貫して変わらない」「理解を得るための活動をしっかりとしていく」と答えました。
岩渕氏は「漁業者のみなさんは海洋放出絶対反対と言っている。海洋放出は絶対にあってはならない」と強調しました。
(「しんぶん赤旗」2020年12月1日より転載)